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オンコロジーMRなら自分の領域の基本レジメンに精通してますよね ?
こんにちは。”クスリを育てるヒトを育てる” ことをミッションに活動しているマーケティングインサイツ代表の尾上昌毅です。
2011年4月に弊社では「病院薬剤部から見た、がん薬物療法治療薬の情報提供に関する製薬企業コールセンターの評価2011」を市場調査レポートとして出しました。
そこでは、がん専門病院の薬剤部が製薬会社に問い合わせをする事項で最も多いのは「副作用である」ことが示されました。これは多肢の選択肢を用意してそこから回答者(病院薬剤部のDI担当薬剤師)に選んでもらった結果でした。
この結果に対し、調査の企画にも種々アドバイスを頂戴した、昭和大学薬学部医薬品情報学教室の加藤裕久教授らが、後日回答者の自由記述生データをもとにテキストマイニングの方法で「問い合わせ動機」を調べて下さいました。
その結果は2012年10月13日の第56回日本薬学会関東支部大会で発表されております。
■「テキストマイニングから見える問い合わせ動機-がん薬物療法について-」
藤井景子 半田智子助教 加藤裕久教授 尾上昌毅
ここで興味深いことは、テキストマイニングを用いることで、コールセンター評価レポートとは異なる視点で分析結果が示されたことです。
コールセンター評価レポートの集計で多かった「副作用」に関しての問い合わせなども、その問い合わせに至った動機をテキストマイニングで調べると、実は「レジメン登録やレジメン変更」などレジメンに関する院内でのイベントがきっかけとなっていたのです。それでレジメンに関する情報を知りたいということで、製薬会社への問い合わせていた訳ですね。
言うまでも無く抗がん剤治療では、複数の抗がん剤が併用して投与される場合が多く、その副作用対策、効果増強などを目的に投与量、投与速度、投与間隔などを工夫したり、さらに支持療法薬も、タイミングなども考慮したうえで併用投与されます。そういった周辺情報は企業のコールセンターかMRが対応できなければなりません。もしそうしたニーズにお応えできないMRしか持てない製薬企業であれば、MRは不要で、企業のコールセンター部門を強化するのが最善の策となります。
抗がん剤を販売している製薬企業のMRは個々の医薬品の情報だけでなく、自社の領域のがん薬物療法に関わるレジメンの情報という広い範囲に精通した上で、そうした内容についても医療従事者に情報提供出来なければ、存在価値が無くなります。
副作用にだけ注意を払う「安全性の守り神」に加えて、是非こうしたレジメンの相談に乗れるパートナーになって活躍の場を築いて欲しいものです。
研究発表にもあるとおり、近年がん専門薬剤師やがん薬物療法認定薬剤師などのがん領域に専門性を発揮できる薬剤師が認定されたり看護師もどんどん専門化しており、医師らと協働して個々の患者に合わせたレジメン提供を行う必要性が増えています。このような状況下で、患者さんごとの具体的なレジメン情報、支持療法や注射剤の調製方法、投与スケジュール、レジメン全体の医療費などについていつでも情報を提供できるというスタンバイ体勢が求められるでしょう。
抗がん剤も新製品が多く登場するようになり、薬剤の組み合わせとして新たなレジメンが出てきております。そうすると関係するのは当該新薬を販売している企業だけではありません。
既存薬を販売している企業もそうした治療の流れを意識して、レジメン情報提供に関し、責任あるMR教育体制、社内DI応対体勢を準備して行かねばなりませんね。
今日は「オンコロジーMRが活躍するにはもっとレジメンに精通して欲しい」という思いでブログを書きました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。