KSF重要成功要因 どうやって作るのか?

まず重要なことは KSFを どう定義するかということです 
世の中には 業界のKSFと呼ばれているものが いろいろな書籍に載っています 
それらは 本に載っているくらいですから、既に知られた因子で 特定の業界でビジネスをしてゆこうとするうえで 必須の 要件を あらわしたものです 
例えば 消費者向けの飲料(飲み物)であれば 自動販売機の台数、あるいはコンビニでの棚割りなどが多い会社ほど成功する というのが分かっています。ですから 飲料においてビジネスを成功させようとしたら自販機の台数を1定以上持つことが必須だ、というワケです 
こうした業界固有のKSFはよく目にするわけですが 我々が 医療用医薬品ブランドマネージャーとして見つけて、注力しなくてはいけないKSFは こうした業界のKSFとは異なります。 
ではどこが異なるのかというと それは 医療用医薬品という業界で勝つための 各社共通の要因を探すのではなく、 自らの置かれている製品特製や競争状況、社内事情を考慮したうえで、市場で当該製品が成功しようとするときに、はずせない、どうしても備えておかなければならない状況(コンディション)を示すもの、それが製品固有のKSFなのです。
この定義は、英語のテキスト(The Executive Guide to Facilitating Strategy)からもってきたもので、
The Key conditions that must be created to achieve your objectives. がその定義です。

こうしたKSFを見つけるには、まずクロスSWOTの「強み×機会」(S×O)の象限に出てくる「積極策」をしっかり見るところから始めます。
強みのなかでも、おそらく、他製品・他社がまねできないもの、自社が自信をもって使いたいと思う「財産」が、最強S(強み)として採用されているはずです。そして、外部(自社のそと)に存在する機会のうちでも、もっとも自社で活用したい、取り込みたい、期待したい要因を、最強O(機会)として目をつけて「積極策」になっているはずです。
このふたつが結びついて、コトを起こす方向性、シーンとして「積極策」があるわけですが、この(製品に勝ち目をもたらしてくれる)大事な大事な積極策を展開しようとしたときに、あらかじめ、自社の組織が備えておかなければならない要因を挙げれば、それがKSFになります。
つまり、強みはそのまま機会にぶつけられるわけではないので、何らかの条件を整える必要があり、そこにKSFを当てはめてゆくと良いのです。機会を取りに行くのに必要な整備も同様です。

繰り返しますと、強みを生かそうとした時には やはり具体的なプログラムが必要です、そういったプログラムを積極的に展開するうえで必ず用意しておかなくてはいけない、前提となる状況がKSFです。こういったことを整備することなしには一歩も具体策を前に進められないというわけです。 したがってKSFは こうした積極策を停会する上での状況の整備、ファンダメンタルなインフラ整備の部分なのです。

製品のマーケティングでは、基本的にS×Oをベースに考えることをお勧めし、W(弱み)を補強する策は取らない、つまりWにはさわらないことを、これまで自身の経験も踏まえて主張してきてます。しかし、この大事なS×Oを実際に展開しようとするときに、もし不足しているものがあれば、展開できないことになってしまい、SもOも未活用に終わってしまします。ですからそこはどうしても「補強」しなくてはならないのです。これはS×Oというその製品にとっての一番の武器を有効に使うための「補強」であり「投資」と言えるでしょう。
ですから、SWOTの項目中のSをさておいて、「Wを先に補強する」考え方とは一線を画します。
理解いただけたでしょうか?

「強み×機会」によって およそこの製品が 顧客に対してどんな強みを発揮しながら、そこにある機会をとらえていくのか、 そして競合にも打ち勝ち、 顧客に価値を与えられるのかを考えるという、クロスSWOTをやったあとに、KSFの出番があるのは、そうした背景があるのです。

KSFの例としては、製品の目標も関係しますが、例えば、

Web講演会で、XX作用機序をAEとつなげて話してくれるスピーカーKOL(2名以上)
YYレターを隔週で発行し続けることのできる編集体制
Web面談後のMRフォローアップを一元的に管理し、全社でみえるしくみ
ZZ資材の使い方を現場でMRに指導できるチームリーダー30名を作る教育体制

などです。
ぜひ、自分の製品ではどうなるか、手を動かして考えてみましょう。

代表

尾上昌毅

尾上昌毅 (Masaki Onoue)

新任プロダクトマネージャーの方には医薬マーケティングの始めの一歩を、経験のあるプロダクトマネージャーの方には医薬品ブランドプラン作成の疑問点を集中的に練習するコースをご提供します。

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